STORY
由緒ある名家、クライン家に生まれた令嬢。かつては年相応に無邪気で、感情表現も豊かな少女だった。親しい相手にはよく笑い、時にはわがままを言うこともあったという。
しかし、ある事件を境に彼女の性格は大きく変わってしまった。以前の面影は薄れ、現在は感情を表に出すことが少なく、他人と距離を置くようになっている。左目を眼帯で覆い、右目には常人には見えないものを捉える特殊な視力を持つ。
かつて彼女がいたのは、廃墟となった学園の最深部。そこには、決して開くことのない扉がある。その向こう側には、大切な友人が今も取り残されている。
セラは今もその扉のそばに留まり続けている。何を考え、何を待っているのか。彼女が口を開くことは、ほとんどない。
あの日を境に失われたものと、今も変わらず残り続けているもの。その境界は、彼女自身にも分からなくなっているのかもしれない。